大手中古車業者「ガリバー」は、良い評判が多々ある一方で、納車が遅いとの評判もあります。

中古車購入の魅力の一つに、現物購入による納車の速さが挙げられます。

新車の場合、近年はほぼすべてが受注生産となるため、納車まで早くとも数カ月程度、人気のある車種の場合は1年以上待たされることもあります。

そのため、価格面ではなく納車の速さを目的に中古車を購入する人もいるのですが、そんな中古車の大手であるガリバーの納車が遅いとの声があります。

本当にガリバーの納車は遅いのか、真相を確かめてみました。

ガリバーの納車は遅い?口コミをチェック

イライラすんなー。ガリバーの人対応遅いし話コロコロ変わるから
最初納車日6月上旬って言ってたのに今度は下旬に変わるし。

私もガリバーで1月29日に契約して、書類は最短で送ったんですが、まだ納車になりません。こんなに遅い店は初めてです。困りますね!

ガリバーの納車は遅いのか、SNSで口コミをチェックしてみました。

ネットでガリバー調べたらめちゃくちゃだめじゃん。
買って損したわ。
納車遅い。
ライト全部つかない。
鍵が壊れてる。
凹んでる。

少々辛辣な声があるのは、実際にガリバーで購入したものの、納車が遅いと感じてSNSでその思いを吐き出しているので、決して虚偽ではないのでしょう。
しかし、実はこれらの口コミには共通していることがあります。

それは、とある事象よりも前の話です。そうです、コロナ禍です。
いずれの口コミも2020年までのもので、コロナ禍以降でガリバーの納車が遅いとの口コミは、X(旧twitter)で見つけることはできませんでした。
そのため、改善されている可能性があります。

ガリバーの納車が遅いとの口コミが多い理由

以前の話ではあっても、ガリバーの納車が遅いとの口コミが多々あったのは事実です。

コロナ禍以前の話ではあっても、なぜガリバーの納車が遅いのか、その理由を調査してみました。

すると、以下の理由が浮かび上がってきました。

  • 全国ネットワークで在庫を調整している
  • 他の中古車業者よりもしっかりとチェックしている
  • 購入者側の書類の不備

それぞれ、詳しく紹介していきましょう。

全国ネットワークで在庫を調整している

ガリバーは中古車業界の中でも大手に分類されている業者です。

全国各地に構えている店舗で在庫状況等をチェックしているだけではなく、取り寄せにも対応しています。そのため、他の店舗で見た在庫を取り寄せする時間がかかっていた可能性が考えられます。

店舗に展示されている中古車の場合、必要な書類さえ揃えれば、数日程度で納車することも可能です。

しかし、取り寄せを活用した場合、店舗間で中古車を移送することになるため、実際の移動の時間だけではなく、陸送車を手配しなければならないため、陸送業者側の状況次第な面もありました。

そのため、「中古車だからすぐに入手できる」と考えてガリバーで中古車を購入した人にとっては、「納車が遅い」と感じてしまうのも仕方ない部分ではあります。

他の中古車業者よりもしっかりとチェックしている

ガリバーが中古車業者の大手の地位にあるのは売り上げや店舗数の多さですが、それは真摯にお客と向き合った結果です。

特に中古車の場合、新車と比較してチェック項目が多いです。新車であればチェックする必要がない部分も、中古車の場合はチェックしなければなりません。

その点で時間がかかっていると感じた購入者がいる可能性もあります。

ガリバーとしては、もしも自社で購入してもらった中古車に何らかの不備が生じた場合、ガリバーの責任問題に発展しかねません。

そのため、しっかりと整備を行っていたことで時間がかかっていたと考えることもできます。

購入者側の書類の不備

中古車に限らず、自動車を購入する場合用意しなければならない書類が多々あります。

中古車に関しては、以下の書類が必要になります。

  • 印鑑登録証明書(発行3ヶ月以内のもの)
  • 実印
  • 自動車保管場所証明書
  • 委任状
  • 車検証
  • 自賠責保険証明書

上記のうち、委任状、車検証、自賠責保険証明書は販売店側が用意するので、購入者は発行から3ヶ月以内の印鑑登録証明書、実印、自動車保管場所証明書が必要です。

基本的に、これらの書類があれば問題なく中古車購入が実現するのですが、不備があった場合には購入は認められません。

この点が原因で時間がかかってしまい、納車が遅くなっている可能性もあります。例えば必要書類を提出したと思ったら、忘れていた書類があったり、記入漏れがあったことでガリバー側が判断に迷ったりなど、ガリバーではなく利用者側の落ち度で時間がかかっていた可能性も捨てきれません。

利用者が多いから数字も増える

ガリバーは中古車業者の中でも大手に分類されている業者なので、利用者も多いです。

そのため、時には納車が遅くなってしまうケースもあることでしょう。

ましてや多くの店舗を抱えているのです。決してガリバーの肩を持つ訳ではありませんし、ミスが許されることではありませんが、例えば「1,000回に1回ミスをしてしまう」の場合、年間で数百人を相手にする中古車であればミスはめったに起きませんが、ガリバーはグループで、※年間およそ20万台以上を販売しています。

仮に1,000回に1回ミスするとしても、その販売台数から年間で200件はミスが出てしまう計算となり、そのミスがSNSで拡散されることで「ガリバーの納車が遅い」とのイメージがついてしまっていることも考えられます。

利用者が多くて忙しい

こちらも先ほど同様、利用者が多いことが原因です。

利用者が多いと、どうしても手続き・対応にも時間がかかってしまいます。

お客の少ない時期であれば、少ないお客にしっかりと向き合うことができます。しかしお客が多いと、対応しなければならない件数が増えます。ガリバーにも限界があります。現実的に、1日で対処できる限界を超えてしまえば、残りは翌日に回すしかありません。しかしその翌日も多くのお客がやってくれば、さらに後回しにせざるを得ません。

このように、忙しい時期にはどうしても対応が遅くなってしまい、結果として納車も遅くなっている可能性があります。

特に年度末など、中古車市場全体が賑わいを見せる頃には、大手であるガリバーの対応客数は急増することが予想されます。このような時期に依頼すると、どうしても納車は遅くなってしまうでしょう。

ガリバーの納車が遅い口コミは近年見かけない

ガリバーの納車が遅いとの口コミは2021年以降のものは発見できませんでした。

もちろんSNSでの口コミを見かけないからと言って、納車が早いとも言い切れませんが、口コミを見かけなくなった事実は、近年「納車の遅さに腹を立ててSNSに投稿する人」がいなくなっていることを意味しています。

この事実の背景を探ってみると、いくつかの事実が浮かび上がってきました。

実はガリバーの姿勢は悪くないものだった

2024年、中古車業界を賑わすニュースが流れます。そうです、ビッグモーターです。

SNSでの炎上を機に、ビッグモーターの「保険金の不正請求」や「車検不正」などさまざまな問題が明るみとなりました。

結果、ビッグモーターは旧経営陣が加わらない存続会社が損害賠償に対応。さらに新会社として「WECARS」を設立することになるなど、中古車業界にネガティブなイメージを持った方も多いことでしょう。

その際「きっと他もやってる」「中古車業界なんてどこも同じ」といった声が溢れたのも事実です。

特にやり玉に挙がったのがガリバーでした。

ビッグモーター同様、中古車業界大手として君臨していたガリバーに対しても「どうせ同じことをしているんじゃないか」との疑惑の目が向けられましたが、実際には同じどころか、むしろガリバーは真摯にお客と向き合っていることが判明。

ビッグモーターとは反対に、ガリバーの誠実さがクローズアップされることになりました。

ガリバーの納車が遅くなる理由

ガリバー側も納車が遅くなることがあるとアナウンスしています。

主な理由は以下の5点」です。

  • 車検切れの車両を買った
  • 整備に時間がかかっている
  • 遠方の車両を取り寄せている
  • 提出書類に不足や不備があった
  • ローン審査に時間がかかった

それぞれについて、詳しく紹介していきましょう。

車検切れの車両を買った

ガリバーでは車検が残っている中古車もあれば、既に車検が切れている中古車もあります。

車検が残っている中古車の場合、車検に関する手続きはありませんが、車検が切れている中古車を購入した場合、ガリバー側が車検の手続きを行うため、車検が残っている中古車と比べて納車が遅くなるとアナウンスしています。

車検も人が必要です。比較的落ち着いた時期であればスムーズに行われますが、繁忙期は忙しくなってしまい、どうしても時間がかかります。

そのため、速い納車を期待してガリバーで中古車を購入する場合、車検が残っている中古車に絞るのも手です。

整備に時間がかかっている

中古車の状況は十人十色です。

それまでの所有者のカーライフや初登録時からの経過年数、走行距離など荷台として同じ状況の中古車はありません。

そのため、中古車は整備に時間がかかります。

ビッグモーターの件があったのです。

適当に整備を行った場合、ガリバーはおろか中古車業界全体にネガティブなイメージを抱かれることになりますが、ビッグモーターの件がある前からガリバーは整備に力を入れていました。

成約後の整備で展示している時には分からなかった問題点を発見したり、念には念を入れての整備を行えばどうしても時間がかかり、納車が遅れてしまいます。

遠方の車両を取り寄せている

ガリバーには全国ネットワークがあり、他の店舗で販売されている中古車を取り寄せることもできます。

近隣店舗からの取り寄せであればさほど時間はかかりませんが、遠方の車両を取り寄せている場合は時間がかかります。

この点については先程もお伝えした通りですが、車両を取り寄せる場合、陸送になるので陸送御者を手配しなければなりません。

ガリバー側の都合だけではなく、陸送業者側の都合もあるので納車が遅くなってしまいます。

提出書類に不足や不備があった

こちらも先程お伝えしましたが、書類に不足・不備がある場合、ガリバー側としてもそのまま認可することはできません。

書類に不足・不備がある場合にはお客に確認しなければなりません。そのため、納車が遅くなります。

特に多いのが車庫証明書です。車庫証明書はガリバー側で対応することもありますが、自分で取得するお客も多いです。その際、数日~1週間程度はかかります。

また、この日程はあくまでも「問題が無ければ」の話です。

不備がある場合、確認作業があるのでさらに時間がかかります。

ローン審査に時間がかかっている

中古車をローンで購入する場合、ローンの審査を受ける必要があります。ここでも時間がかかり、納車が遅れるケースがあります。

ローンの審査は金融機関側の事情ですが、こちらでも書類の不備・不足があれば時間がかかります。また、本人確認ができずに時間がかかるケースもあります。

ローンの審査では、職場や本人に確認の電話が入るケースがありますが、お客が忙しい場合、電話に出れません。結果、「確認できない」状況が続くため、納車にも影響が出てしまいます。

また、ローンの審査に落ちた場合にはさらに時間がかかります。この場合、異なる金融機関で再度ローンの審査を受けるか、あるいは中古車の購入そのものを諦めるかになりますが、購入するとしても再度書類を提出しなければならないので時間がかかります。

結論:ガリバーの納車は決して遅いとは言えない

これらの事情から、ガリバーの納車は決して遅いとは言い切れません。もちろん人によっては「遅い」と感じるかもしれませんが、中古車全体で考えた時、決して遅いとは言い切れません。

中古車購入のタイミングで左右されることもあれば、購入者自身の不手際で納車が遅くなってしまうケースもありますが、その点はガリバーに限った話ではありません。

これらの事情を踏まえると、決してガリバーだけが遅いとは言えません。むしろ遅くなる理由をしっかりとアナウンスしている点を踏まえると、ガリバーはお客と真摯に向き合っていることが伺えます。

まとめ

ガリバーの納車が遅いとの口コミが多い理由や、実際にガリバーがアナウンスしている納車が遅くなるケースなどを紹介しました。

決して納車が遅いことはありません。むしろお客と真摯に向き合っていることが分かりました。そのため、ガリバーで中古車を購入してすぐにでも乗りたい場合には、車検が残っている中古車や足を運べる範囲にある店舗での購入をおすすめします。