岩手・北上に行くなら、一度は立ち寄りたい場所として名前が挙がるのが「マルカンビル大食堂」。
昭和の空気をそのまま閉じ込めたような空間で、名物グルメを味わえる場所として全国的にも知られています。
いざ、マルカンビル食堂へ
マルカンビル大食堂は、元々は百貨店の最上階にあった大食堂。
百貨店自体は一度閉店しましたが、多くのファンの声に支えられ、現在は当時の雰囲気を残したまま復活しています。エレベーターで上がる瞬間から、どこか懐かしさを感じるのが印象的でした。
店内に入ると、想像以上に広い空間。
テーブル席がずらっと並び、天井も高く、まさに「大食堂」という言葉がぴったりです。平日にもかかわらず、地元の方から観光客まで幅広い客層でにぎわっていました。
まずは、餃子&ビールで腹ごしらえ
まず最初に注文したのは餃子とビール。
旅先で飲むビールはどうしてこんなに美味しいのか…と思いながら、焼き目のしっかりついた餃子を一口。皮はパリッと、中はジューシーで、どこか家庭的な味わいです。派手さはないけれど、ビールとの相性が抜群で、つい箸が進みます。
メインはカツカレー
餃子で軽くウォーミングアップしたあと、メインとして頼んだのがカツカレー。
マルカンビル大食堂のメニューは全体的にボリュームがあると聞いていましたが、実際に運ばれてきたカツカレーを見て思わず笑ってしまいました。大きなお皿にたっぷりのご飯、どっしりとしたカツ、そしてなみなみとかかったルー。
カツは衣がサクッとしていて、中のお肉もしっかり厚みがあります。
カレーは昔ながらの甘さとコクのある味で、どこか学校給食や家のカレーを思い出すような安心感。派手なスパイス感はありませんが、誰でも「美味しい」と感じる王道の味でした。
すでにお腹はかなり満たされていましたが、マルカンビル大食堂に来たからには外せないものがあります。
名物10段ソフトクリーム!
それが、マルカンビル大食堂名物の10段ソフトクリームです。
写真や動画では何度も見ていましたが、実物を目の前にすると迫力がまったく違います。細長いグラスの上に、これでもかというほど積み重なったソフトクリーム。
このソフトクリーム、食べ方にも“お約束”があります。
付属の長い割り箸で、上から崩さずに食べ進めるスタイル。最初は慎重に、少しずつ。ミルク感の強い、どこか懐かしい味で甘すぎず、意外と食べやすいのが印象的でした。
とはいえ、カツカレーを食べた後の10段。
正直なところ、後半はなかなかの戦いです。溶けるスピードとの勝負でもあり、途中からは黙々と食べ進める時間に。それでも「ここまで来たら残せない」という謎の使命感が湧いてきます。結果、無事完食。達成感も含めて、良い思い出になりました。
食事を終えて改めて感じたのは、マルカンビル大食堂は「映え」や「話題性」だけの場所ではないということ。
どの料理もきちんと美味しく、価格も良心的。観光向けでありながら、地元の方が普段使いしている理由がよくわかります。昭和レトロな雰囲気も、作られたものではなく、本物の空気感が残っているのが魅力です。
宿泊はルートイン北上駅前
この日の宿泊先は、ルートイン北上駅前。
駅から近く、迷わずたどり着ける立地で、観光拠点としてとても便利でした。館内は清潔感があり、部屋も落ち着いた雰囲気。大浴場があるのも嬉しいポイントで、食後にゆっくりお風呂に浸かって一日の疲れを取ることができました。
部屋もとても綺麗に整頓されていました。
派手さはないものの、必要なものがきちんと揃っていて、翌日の予定に向けてちょうど良いスタートが切れます。「観光でしっかり食べて、しっかり休む」という意味では、とても相性の良いホテルでした。
今回の北上旅行で、マルカンビル大食堂は間違いなく印象に残る場所でした。
ボリューム満点のカツカレー、餃子とビールの安定感、そして10段ソフトクリームのインパクト。どれか一つだけでも話題になりますが、それが同じ場所で楽しめるのがすごいところです。
北上を訪れる予定があるなら、ぜひスケジュールに組み込んでほしいスポット。
「懐かしい」「楽しい」「お腹いっぱい」がすべて詰まった、記憶に残る食堂でした!
今、マルカンビル大食堂では「昭和の風景を未来へつなぐ」クラウドファンディングが進行中!
実は、私がこの食堂に行ったタイミングとほぼ同時期に、
マルカンビル大食堂がとても大切にしてきた“あるもの”を守るためのクラウドファンディングが実施されています。
その対象となっているのは、なんと——
昭和48年(1973年)の開店当初からずっと使われてきた「レトロな箸立て」です。
この箸立ては、オレンジ色で上のつまみを引くと箸が開く、
昔ながらの大衆食堂の象徴ともいえるアイテム。マルカンビル大食堂のテーブルの上には、ずらっとこの箸立てが並んでいて、10段ソフトクリームを割り箸で食べる文化と共に、長年お客さんの思い出に刻まれてきました。
しかし、残念なことに この箸立ての製造元はすでに廃業し、設計図や金型が残っていないため、同じものを新しく作ることができない状態に。
つまり今あるものが壊れてしまったら、もう同じものは二度と手に入らない――そんな危機に瀕しています。
そこで立ち上がったのが、
この「レトロな箸立て」を忠実に復刻し、これから先も大食堂や家庭・店舗などで使える形で残すプロジェクトです。
✔️ どうして復刻が必要なのか?
- 現在の箸立ては50年以上使われ、劣化が進んでいる
- 同じものを作るための設計図や金型が残っていない
- 当時の製造会社はもう存在しない
- だからこそ、新規に金型から制作する必要がある
この復刻は単なる商品製造ではなく、
昭和の食堂文化とマルカンビル大食堂の空気感を未来につなぐ文化財的プロジェクトでもあります。
プロジェクトの目的と現状
この取り組みはクラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」で実施されており、
目標金額は5,000,000円、現在2,739,803円・支援者263人ほどが応援中(※12025年2月時点)。
募集終了まであとわずかなので、全国から支援が集まっています。
支援は All-in方式 なので、目標に達しなくても、支援者にはリターンが届けられる仕組みです。
支援金の使い道
支援金は主に:
- レトロ箸立ての金型制作費
- 箸立て本体の製造費
などに使われる予定です。
なぜ支援が必要なのか?
マルカンビル大食堂の箸立ては、単なる器具ではありません。
10段ソフトクリームを食べるためだけのアイテムではなく、昭和から令和につながる「文化の象徴」です。
壊れてなくなるなら、それは大食堂の景色や記憶の一部が失われるということ。
長年通ってきた地元客や、初めて訪れた旅行者、親子三世代で楽しむ人。
さまざまな人の心の中にある風景を、未来へつなぐための挑戦が、今ここにあります。
まとめ:あなたの支援が「未来の思い出」をつくる
マルカンビル大食堂は、ただのレストランではありません。
人の記憶と文化が積み重なった場所です。訪れた人が「また来たい」と思い出す空間を守るために、
今回のクラウドファンディングは大きな意味を持っています。
もしあなたも昭和レトロや食堂文化が好きなら、
あるいは「旅先の思い出を残す形で応援したい」と思うなら、
ぜひプロジェクトページをチェックしてみてください!
(支援ページは「マルカンビル大食堂 レトロ箸立て 復刻」でCAMPFIREで公開中)