「ガリバーでも、保険金の不正請求があったって本当?」
「ビッグモーターと同じようなことをしていたの?」
「金融庁から行政処分を受けたという話も見かけたけれど、今利用して大丈夫?」
中古車業界のニュースを見ていると、こんな不安を感じてしまいますよね。
こんにちは。中古車を見て回るのが大好きな主婦、アケミです。
私自身、家族の車を買い替えるときには、車両価格だけでなく、販売店の評判や過去のニュースまで調べます。
大きなお金が動く買い物ですから、「この会社に任せても大丈夫かな?」と慎重になるのは当然です。
そこで今回は、「ガリバー 不正」「ガリバー 不祥事」と検索している方に向けて、ガリバーを運営する株式会社IDOM(イドム)で何があったのかを調べました。
先に結論をお伝えすると、IDOMが公表した調査結果では、保険金の誤請求が3件確認されています。
ただし、同じ調査では、故意に車を傷つける行為や、行っていない修理作業を請求する偽装は確認されていません。
また、2024年には金融庁による立入検査が報じられましたが、立入検査を受けたことと、行政処分を受けたことは同じではありません。
この記事では、ガリバーを必要以上に擁護することも、根拠なく危険だと決めつけることもせず、確認できた事実を一つずつ見ていきます。
結論|ガリバーでは保険金の誤請求が確認されたが組織的な不正とは確認されていない

ガリバーに関する問題を簡単に整理すると、次のようになります。
| 確認したいこと | 確認できた内容 |
| 保険金請求の問題はあった? | 3件、合計4万6,725円の誤請求が確認された |
| 故意に車を傷つけた? | IDOMが公表した再調査では0件 |
| 作業をしたように見せかけた? | 同じ再調査では0件 |
| 金融庁の検査を受けた? | 2024年に立入検査が行われたと報じられた |
| 行政処分を受けた? | 2025年10月時点で、IDOMは受けていないと発表 |
| ビッグモーターと同じ問題? | 確認された内容や行政対応が異なる |
IDOMによると、東京海上日動火災保険との調査で、両社間の確認不足による誤請求が3件見つかりました。
金額は4,450円、4万1,535円、740円で、合計4万6,725円です。
出典:株式会社IDOM「保険金請求に関する一部報道について」(2023年11月1日)
この数字だけを見ると、「誤請求があったのだから、ガリバーも不正をしていたのでは?」と感じる方もいるでしょう。
ただし、IDOMは今回の3件について、故意に金額を水増ししたものではなく、保険会社との確認不足によって発生した「誤請求」と説明しています。
会社側の説明をそのまま信じればよいという話ではありませんが、確認漏れによる誤請求と、利益を得る目的で意図的に行う不正請求は、分けて考える必要があります。
ガリバーで確認されたのは3件の「誤請求」
IDOMの発表では、再調査した8件のうち3件で、「両社間の確認不足による誤請求」が確認されたとされています。
「不正請求」とは書かれていません。
もちろん、故意でなければ問題がないわけではありません。
実際の修理内容と異なる保険金が支払われないよう、修理工場と保険会社の双方に厳重な確認が求められます。
損傷の作出や作業の偽装は確認されていない
IDOMが公表した再調査結果では、次の3項目はいずれも0件でした。
- 損傷の作出
- 損傷の存在や範囲の演出
- 作業の偽装
損傷の作出とは、もともとなかった傷を故意につけることです。
作業の偽装は、実際には行っていない修理を行ったように見せて請求することを指します。
出典:株式会社IDOM「保険金請求に関する一部報道について」(2023年11月1日)
金融庁の立入検査と行政処分は別のもの
2024年10月には、金融庁がIDOMとグッドスピードを立入検査していると東洋経済オンラインが報じました。
東洋経済オンライン:
ただし、立入検査は、会社の業務や管理体制に問題がないかを調べるための手続きです。
立入検査を受けただけで、不正が確定したわけでも、行政処分を受けたわけでもありません。
アケミのひとこと
中古車業界のニュースは、見出しだけを読むと、すべての会社で同じような不正が行われていたように感じてしまいます。
でも、大切なのは「どの会社で、何が確認され、どのような処分を受けたのか」を分けて見ることだと思います。
ガリバーの不祥事・不正疑惑を時系列で整理
◆ガリバー問題の流れを時系列で整理

ガリバーに関する情報は、発表された時期によって内容が異なります。
「最初の調査では問題なしだったのに、あとから誤請求が見つかった」「その後、金融庁の立入検査が報じられた」という流れがあるため、少し分かりにくくなっています。
まずは、時系列で整理してみましょう。
| 時期 | 主な出来事 |
| 2023年8月 | IDOMが整備・板金工場の社内調査結果を発表 |
| 2023年11月 | 東京海上日動との調査で誤請求3件を公表 |
| 2024年10月 | 金融庁によるIDOMへの立入検査が報じられる |
| 2025年10月 | IDOMが業務改善命令等を受けていないと発表 |
| 2026年3月末 | 金融庁の行政処分事例集が更新 |
2023年8月|IDOMが自社の整備・板金工場を調査
2023年には、旧ビッグモーターの保険金不正請求問題をきっかけに、中古車販売会社の整備や板金作業へ厳しい目が向けられるようになりました。
IDOMは2023年8月25日、自社の板金工場を対象に実施した社内調査の結果を発表しました。
この時点では、保険金の不正請求に該当する案件は確認されなかったと説明しています。
車検についても、定期的な監査を実施しており、不正な案件は確認されていないとしていました。
出典:株式会社IDOM「整備・板金のトレーサビリティ確保の取組」(2023年8月25日)
また、IDOMは板金修理について、入庫時・作業時・完了時の車両状態を写真に残し、損害保険会社と共有する体制を整えていると説明しています。
2023年11月|保険金の誤請求3件を公表
その後、東京海上日動との追加調査が行われ、2023年11月1日に3件の誤請求が公表されました。
「8月には問題なしと言っていたのに、なぜ11月に見つかったの?」と思いますよね。
8月に公表されたのは、IDOMによる社内調査の結果です。
その後、東京海上日動から過去の案件について点検依頼を受け、両社で調べた結果、当初の調査では確認されていなかった不備が見つかりました。
IDOMも、11月の発表の中で、8月のプレスリリース時には確認されていなかった不備が3件含まれていたと説明しています。
出典:株式会社IDOM「保険金請求に関する一部報道について」(2023年11月1日)
2024年10月|金融庁による立入検査が報じられる
2024年10月21日、東洋経済オンラインは、金融庁がIDOMとグッドスピードに立入検査を行っていると報じました。
報道では、事故車修理費の保険金請求や、保険契約を条件とした値引きなどが検査の焦点として挙げられています。
ただし、これらは立入検査に関する報道であり、IDOMについて違反や不正が確定したとする金融庁の行政処分発表ではありません。
出典:東洋経済オンライン「中古車販売『ガリバー』と『GS』に金融庁が立入検査」(2024年10月21日)
2025年10月|IDOMが業務改善命令等に関する見解を発表
IDOMは2025年10月14日、金融庁による業務改善命令等が行われる可能性について憶測が出ているとして、公式見解を公表しました。
IDOMは、同日時点において金融庁から業務改善命令等を受けておらず、その予定もないと認識していると説明しています。これは、あくまでも2025年10月時点におけるIDOM側の発表です。
出典:株式会社IDOM「当社に対する一部報道に関するお知らせ」(2025年10月14日)
2026年時点|金融庁の行政処分事例集にIDOMの処分は掲載されていない
金融庁は、金融機関などに対して行った行政処分を「行政処分事例集」として公開しています。
2026年3月31日時点の事例集と金融庁の公表資料を確認した範囲では、IDOMに対する業務改善命令や保険代理店登録取消の発表は確認できませんでした。
出典:金融庁「行政処分事例集」(2026年3月31日時点)
ただし、これは今後も行政処分が行われないことを保証するものではありません。
最新状況を知りたい場合は、金融庁とIDOMの公式発表を改めて確認しましょう。
ガリバーの保険金問題とは?誤請求3件の内容を解説
◆保険金問題の流れ

ここからは、「ガリバー 保険金」と検索している方が最も気になる、誤請求の内容を詳しく見ていきましょう。
東京海上日動が245件のうち120件の点検を依頼
IDOMの発表によると、東京海上日動は2023年9月4日、過去にIDOMとの間で修理内容が協定された245件のうち、120件について点検を依頼しました。
対象となったのは、2022年4月から2023年7月までの案件です。
ここでいう「協定」とは、修理工場と保険会社が、修理する範囲や保険金額について合意することです。
修理工場が一方的に金額を決めるのではなく、保険会社側も見積もりを確認したうえで金額を確定します。
再調査した8件のうち3件で誤請求を確認
120件を点検した結果、東京海上日動から8件について再調査の依頼がありました。
IDOMの監査チームが8件を調べたところ、そのうち3件で、両社間の確認不足による誤請求が見つかりました。
つまり、「245件すべてを再調査して3件見つかった」という流れではありません。
正確には、次のような流れです。
- 対象となる協定案件は245件
- 東京海上日動が120件の点検を依頼
- 両社による点検後、8件を再調査
- 8件のうち3件で誤請求を確認
過大だった請求額は合計4万6,725円
確認された3件の相違金額は、次のとおりです。
| 対象 | 相違金額 |
| 1件目 | 4,450円 |
| 2件目 | 4万1,535円 |
| 3件目 | 740円 |
| 合計 | 4万6,725円 |
大規模な保険金不正請求と比べれば、金額は小さく見えるかもしれません。
ただし、本来の修理内容よりも多い金額が請求されていた事実は、軽く考えてよいものではありません。
IDOMも、この誤請求を重く受け止め、損害保険会社と協力して不備を排除する体制を構築すると説明しています。
誤請求の原因は両社間の確認不足と説明されている
IDOMは、今回の3件について、協定時にIDOMと東京海上日動の双方が不備を発見できなかったことが原因だと説明しています。
つまり、修理工場側だけではなく、保険会社側の確認でも不備を見つけられなかったという説明です。
ただし、これはIDOMが公表している内容です。
外部から具体的な経緯や故意性まで判断することは難しいため、今記事ではIDOMが発表している内容としてご紹介します。
損傷の作出・範囲の演出・作業の偽装はいずれも0件
IDOMが公開した再調査結果は、次のとおりです。
| 調査項目 | 確認された件数 |
| 損傷の作出 | 0件 |
| 損傷の存在・範囲の演出 | 0件 |
| 作業の偽装 | 0件 |
| 両社間の確認不足による誤請求 | 3件 |
少なくとも、IDOMが公表した8件の再調査では、故意に傷を作ったり、行っていない修理を請求したりした事例は確認されていません。
「誤請求」と「不正請求」はどのように違う?
誤請求と不正請求は、同じように扱われることがありますが、意味は異なります。
誤請求は、入力ミス、伝票の不備、確認漏れなどによって、正しい金額とは異なる請求をしてしまうことです。
一方の不正請求は、実際よりも高い金額を受け取る目的で、故意に請求内容を偽る行為です。
今回、IDOM自身が使っている表現は「両社間の確認不足による誤請求」です。
そのため、確認できた資料だけを根拠に、「ガリバーが組織的に不正請求を行っていた」と断定するのは適切ではありません。
IDOMが示した再発防止の取り組み
IDOMは、誤請求の公表後、損害保険会社と協力し、確認不足を含めた不備を排除する体制をつくる方針を示しました。
また、2025年2月期の決算説明会資料では、次のような保険ガバナンス強化策を掲載しています。
◆保険ガバナンス強化策
- 保険事務センターの設置
- 保険手続きのRPA化
- 各手続きのデータ保管
- 各拠点だけに任せない管理体制への移行
出典:株式会社IDOM「決算説明会資料 2025年2月期」25ページ
手続きや記録をデータ化することで、入力ミスや確認漏れを防ぎやすくする狙いがあると考えられます。
ただし、対策を導入したことと、今後ミスが起きないことは別です。
対策が実際の店舗や工場で機能しているか、継続して確認することも必要でしょう。
ガリバーは行政処分を受けた?金融庁の立入検査と最新状況
「ガリバー 行政処分」と検索すると、金融庁の立入検査に関する情報が表示されます。
そのため、「ガリバーは金融庁からすでに処分された」と受け取っている方もいるかもしれません。
しかし、立入検査と行政処分は別のものです。
金融庁は2024年にIDOMへ立入検査
2024年10月、金融庁がIDOMとグッドスピードを立入検査していると報じられました。
報道では、保険金請求のほか、保険契約の見返りとなる値引きなど、保険募集の管理体制も焦点として挙げられています。
ただし、金融庁からIDOMへの立入検査について、詳しい検査結果を示す公式発表は確認できません。
出典:東洋経済オンライン「中古車販売『ガリバー』と『GS』に金融庁が立入検査」(2024年10月21日)
立入検査を受けただけでは行政処分とはいえない
◆立入検査と行政処分の違い

立入検査は、会社の業務や書類、管理体制などを確認するために行われます。
検査の結果、法令違反や重大な管理上の問題が認められた場合は、業務改善命令、業務停止命令、登録取消などの行政処分につながることがあります。
反対に、立入検査が行われても、必ず行政処分が出るとは限りません。
「検査を受けた」という事実と、「問題が認定され、処分を受けた」という事実は分けて考えましょう。
2025年に行政処分を受けたのはグッドスピード
IDOMと同じ時期に立入検査が報じられたグッドスピードは、2025年1月24日に業務改善命令を受けました。
金融庁の発表では、保険業法第306条の規定に基づき、東海財務局長から業務改善命令が出されています。
出典:金融庁「株式会社グッドスピードに対する行政処分について」(2025年1月24日)
グッドスピードへの行政処分と、IDOMへの立入検査は別の話です。
会社名を確認せずにニュースを読むと、グッドスピードへの処分をガリバーへの処分と混同してしまう可能性があります。
IDOMは業務改善命令等を受けていないと発表
IDOMは2025年10月14日、次のように発表しています。
現時点において、当社は金融庁から業務改善命令等を受けておらず、その予定もないと認識をしております。
ただし、これは2025年10月14日時点におけるIDOM側の認識です。
将来にわたって処分を受ける可能性がないと保証するものではありません。
出典:株式会社IDOM「当社に対する一部報道に関するお知らせ」(2025年10月14日)
行政処分の有無を確認する方法
ガリバーの行政処分に関する最新情報を確認するときは、SNSやまとめ記事だけで判断せず、次の情報を確認しましょう。
◆最新情報チェック先一覧
- 金融庁の報道発表資料
- 金融庁の行政処分事例集
- IDOMのIR情報
- IDOMのプレスリリース
- 複数の信頼できる報道機関の記事
特に、「金融庁が調査」「金融庁が検査」「金融庁が処分」という表現は似ていますが、それぞれ意味が異なります。
記事が公開された日付と、実際に発表された内容を確認することが大切です。
ガリバーとビッグモーターの不正問題は何が違う?
ガリバーの不正について調べている方の中には、「ビッグモーターと同じような問題なのでは?」と心配している方も多いと思います。
しかし、公表されている内容を見る限り、確認された問題や行政対応には大きな違いがあります。
ビッグモーターでは故意の損傷や水増し請求が認定された
金融庁の資料では、旧ビッグモーターにおいて、修理車両へ新たな損傷を作り、修理範囲を広げる行為や、不要な板金作業・部品交換による保険金の水増し請求が行われていたと説明されています。
また、不適切な保険金請求が、広範囲の修理工場で組織的に反復・継続して発生していたとされています。
出典:金融庁「損害保険業の構造的課題と競争のあり方に関する有識者会議 事務局説明資料」
ビッグモーターは保険代理店の登録を取り消された
金融庁は2023年11月24日、旧ビッグモーターと関連会社に対し、損害保険代理店としての登録を取り消す行政処分を発表しました。
登録は2023年11月30日付で取り消されています。
出典:金融庁「株式会社ビッグモーター、株式会社ビーエムホールディングス及び株式会社ビーエムハナテンに対する行政処分について」(2023年11月24日)
ガリバーで公表されたのは確認不足による誤請求3件
一方、ガリバーで公表された問題は、東京海上日動との確認不足による3件、合計4万6,725円の誤請求です。
IDOMが公表した再調査では、損傷の作出、損傷範囲の演出、作業の偽装はいずれも0件でした。
そのため、旧ビッグモーターで確認された組織的な保険金不正請求と、まったく同じ問題として扱うのは適切ではありません。
不正の内容・規模・行政対応を比較
| 比較項目 | ガリバー・IDOM | 旧ビッグモーター |
| 公表された主な問題 | 確認不足による誤請求3件 | 故意の損傷などによる保険金の水増し請求 |
| ガリバー側の公表金額 | 合計4万6,725円 | 広範囲の修理工場で反復・継続して発生 |
| 故意の損傷 | IDOMの再調査では0件 | 金融庁資料で認定 |
| 行政対応 | 立入検査が報じられた | 保険代理店登録を取消 |
| 業務改善命令等 | 2025年10月時点でIDOMは受けていないと発表 | 登録取消処分を実施 |
中古車販売会社だからという理由だけで、すべての会社を同じように判断することはできません。
会社ごとに、何が確認され、どのような行政対応が行われたのかを見る必要があります。
ガリバーとネクステージの不祥事を比較するときの注意点
元の記事では、ネクステージに関するニュースも多く取り上げられていました。
ただし、「ガリバー 不正」を調べたい方にとっては、別会社の情報が多すぎると、何がガリバーで起きた問題なのか分かりにくくなってしまいます。
ガリバーとネクステージは別の会社
ガリバーを運営しているのは株式会社IDOM(イドム)です。
IDOMは2016年に、株式会社ガリバーインターナショナルから現在の社名へ変更しました。「ガリバー」は、現在もIDOMが展開する中古車買取・販売ブランドです。
出典:株式会社IDOM「会社情報」
一方、ネクステージを運営しているのは株式会社ネクステージです。
ネクステージは、中古車販売、買取、整備、保険代理店などの事業を行っています。
出典:株式会社ネクステージ「事業内容」
両社は同じ中古車販売業界の大手ですが、同じ会社ではありません。
各社で確認された問題は分けて判断する
中古車業界では、複数の会社について、保険金請求、保険販売、従業員の行為などが報じられてきました。
しかし、会社によって問題の内容や調査結果、行政対応は異なります。
ネクステージで報じられた出来事を理由に、ガリバーでも同じことが行われていると判断することはできません。
反対に、ガリバーの誤請求が3件だったことを理由に、ガリバーのすべてのサービスに問題がないと判断することもできません。
比較するときは、次の点を確認しましょう。
◆比較する際のチェックポイント
- 会社自身が公表した調査結果
- 第三者による調査の有無
- 行政処分の有無と内容
- 問題が確認された期間と件数
- 利用者への対応
- 再発防止策の具体性
アケミのひとこと
会社同士を比べるときは、「どちらが絶対に安全か」を決めるより、自分が利用する店舗や担当者の説明を確認する方が現実的です。
同じ看板のお店でも、担当者によって説明の丁寧さが違うことはありますからね。
現在のガリバーは利用しても大丈夫?
ここまで読んで、「結局、ガリバーを利用しても大丈夫なの?」と思った方もいるでしょう。
確認できた情報だけを見ると、ガリバーを利用すること自体が危険だと断定できる状況ではありません。
ただし、大手だから無条件に安心ともいえません。
過去の誤請求だけで全店舗が危険とは断定できない
今回公表された誤請求は3件です。
この3件をもって、ガリバーの全店舗やすべての取引で不適切な請求が行われていると判断することはできません。
反対に、「3件だけだから気にしなくてもよい」と片づけるのも違うと思います。
大切なのは、問題が起きたあとに会社がどのような対策を取り、それが現場で守られているかです。
IDOMは保険業務の管理体制を強化している
IDOMは、保険事務センターの設置、保険手続きのRPA化、各手続きのデータ保管などを進めていると説明しています。
出典:株式会社IDOM「決算説明会資料 2025年2月期」
また、板金修理では、入庫時・作業時・完了時の車両状態を写真で記録し、損害保険会社と共有する体制を公表しています。
出典:株式会社IDOM「整備・板金のトレーサビリティ確保の取組」(2023年8月25日)
ただし、仕組みを整えたことと、すべての店舗や工場で適切に運用されていることは別です。
実際に利用するときは、見積もりや作業内容の説明を自分でも確認しましょう。
ガリバーの店舗すべてが同じ対応とは限らない
ガリバーは、2025年11月末時点で全国に492店舗を展開しているとIDOMは公表しています。
これだけ店舗数が多ければ、接客や説明の分かりやすさに差が出る可能性があります。
インターネット上の口コミを見るときも、「ガリバー全体の口コミ」だけではなく、実際に利用する予定の店舗名で調べるのがおすすめです。
ただし、口コミには一方的な内容や古い情報が含まれることもあります。
評価の点数だけでなく、いつ、どのような取引で、何が問題になったのかまで確認しましょう。
買取と中古車購入では確認するポイントが異なる
ガリバーを利用するといっても、車を売る場合と中古車を買う場合では、確認するポイントが異なります。
車を売る場合は、次の点を確認しましょう。
◆車を売る時のポイント
- 査定額
- 入金日
- 契約後の減額条件
- キャンセル条件
- 車の引き渡し時期
中古車を買う場合は、次の点が重要です。
◆車を買う時のポイント
- 支払総額
- 修復歴
- 保証範囲
- 整備内容
- 返品条件
- 納車時期
自動車保険にも加入する場合は、保険料だけでなく、補償内容や特約が自分に合っているかを見てください。
不安がある場合は複数社を比較する
中古車の購入や買取では、最初に入った1店舗だけで決める必要はありません。
ガリバーの条件に納得できなければ、他の中古車販売店や買取会社とも比べてみましょう。
比較することで、相場から大きく離れた査定額や、不要なオプションにも気づきやすくなります。
ガリバーを利用するときに失敗しないための注意点7つ
過去の不祥事や報道だけを見て会社を選ぶのではなく、自分の契約を自分で守ることも大切です。
ここでは、ガリバーに限らず、中古車販売店を利用するときに確認したいポイントを7つ紹介します。

注意点①査定額や見積もりを複数社で比較する
車を売る場合も買う場合も、1社だけの金額で即決しないようにしましょう。
買取査定では、最初に高い金額を示されても、契約条件によっては後から減額される可能性があります。
中古車購入では、本体価格が安く見えても、諸費用や保証、コーティングなどを加えると総額が高くなることがあります。
最低でも2~3社を比較すると、その車のおおよその相場が見えやすくなります。
注意点②車両価格ではなく支払総額を確認する
中古車を買うときに最も大切なのは、「最終的にいくら支払うのか」です。
確認したい主な費用は次のとおりです。
◆中古車購入時に確認したい項目
- 車両本体価格
- 税金や自賠責保険料
- 登録手続き費用
- 納車前整備費用
- 保証料
- コーティング費用
- メンテナンスパック
- 陸送費
「この費用は必須ですか?」「外すことはできますか?」と、一つずつ聞いてみましょう。
不要だと感じるサービスまで無理に付ける必要はありません。
注意点③保証と返品条件を書面で確認する
「保証が付いているから安心」と思っても、故障したすべての部品が保証されるとは限りません。
保証期間だけでなく、次の項目を確認してください。
◆保証のチェックポイント
- 保証の対象部品
- 対象外となる消耗品
- 走行距離の上限
- 修理を受けられる場所
- 自己負担額の有無
- 保証を継続する条件
返品制度がある場合も、「納車から何日以内か」「走行距離の上限はあるか」「返品できないケースは何か」を確認しましょう。
口頭で聞いただけではなく、契約書や規約を保存しておくことが大切です。
注意点④修復歴や整備記録を確認する
中古車購入では、修復歴の有無を必ず確認しましょう。
ただし、「修復歴なし」だけで車の状態が完璧だとは限りません。
小さな板金修理や部品交換は、修復歴に該当しない場合があります。
車両状態評価書、整備記録簿、タイヤの残り溝、バッテリーの状態、オイル漏れの有無なども確認してください。
車に詳しくない場合は、詳しい家族や知人に同行してもらうのもよい方法です。
注意点⑤自動車保険は車の契約と分けて比較する
中古車販売店で車を買うと、その場で自動車保険を案内されることがあります。
店舗で保険に入ること自体が悪いわけではありません。事故や故障時に、販売店へ相談しやすいというメリットもあります。
ただし、車を購入する店舗で必ず保険に入らなければならないわけではありません。
現在加入している保険会社、ネット型保険、ほかの代理店などとも比較し、補償内容と保険料のバランスを見て決めましょう。
注意点⑥その場で即決せず契約書を持ち帰る
「今日決めれば値引きします」
「この車は人気なので、すぐ売れてしまいます」
こう言われると、急いで契約したくなりますよね。
もちろん、本当にほかのお客さんが検討している場合もあります。
ただ、焦って契約すると、保証やキャンセル条件を見落としやすくなります。
数百万円の買い物ですから、いったん見積書を持ち帰って考えるのは当然です。
持ち帰りを強く嫌がる担当者であれば、その対応も判断材料にしましょう。
注意点⑦説明と違う点があれば記録を残す
契約前の説明と実際の内容が違った場合に備えて、次のものを保存しておきましょう。
◆契約時に保存推奨の書類一覧
- 見積書
- 注文書や契約書
- 保証規約
- メールやメッセージの履歴
- 車両状態評価書
- 納車時の写真
- 担当者から説明された日時と内容
電話で重要な説明を受けたときは、電話後に「先ほどのお話は、この内容で間違いないでしょうか」とメールで確認すると、記録を残せます。
ガリバーの不正・不祥事に関するよくある質問
Q.ガリバーで保険金の不正請求はありましたか?
A.IDOMが公表した資料では、東京海上日動との確認不足による誤請求が3件確認されています。
一方、同じ再調査では、損傷の作出、損傷範囲の演出、作業の偽装はいずれも0件でした。
そのため、確認できた公表資料だけを根拠に、「ガリバーが組織的な保険金不正請求を行った」と断定することはできません。
出典:株式会社IDOM「保険金請求に関する一部報道について」(2023年11月1日)
Q.ガリバーの誤請求はいくらでしたか?
A.3件で合計4万6,725円です。
内訳は、4,450円、4万1,535円、740円でした。
Q.なぜ最初の調査では誤請求が見つからなかったのですか?
A.2023年8月に公表されたのは、IDOMによる社内調査の結果です。
その後、東京海上日動から120件の点検依頼を受け、再調査対象となった8件をIDOMの監査チームが調べたところ、3件の誤請求が確認されました。
Q.ガリバーは金融庁の立入検査を受けましたか?
A.2024年10月、金融庁がIDOMへ立入検査を行っていると東洋経済オンラインが報じました。
ただし、立入検査を受けたことは、行政処分を受けたことと同じではありません。
Q.ガリバーは行政処分を受けましたか?
A.IDOMは2025年10月14日時点で、金融庁から業務改善命令等を受けておらず、その予定もないと認識していると発表しています。
また、金融庁が2026年3月31日時点で公開している行政処分事例集を確認した範囲でも、IDOMへの業務改善命令や登録取消処分は確認できませんでした。
Q.ガリバーとビッグモーターは同じ会社ですか?
A.同じ会社ではありません。
ガリバーを運営するのは株式会社IDOMです。
旧ビッグモーターと関連会社は、2023年11月30日付で損害保険代理店としての登録を取り消されていますが、IDOMに同じ登録取消処分が出された事実は確認できません。
Q.ガリバーとネクステージには関係がありますか?
A.ガリバーの運営会社は株式会社IDOM、ネクステージの運営会社は株式会社ネクステージです。
どちらも中古車の販売や買取などを行っていますが、別の会社です。
Q.現在ガリバーを利用しても大丈夫ですか?
A.2023年に誤請求が確認されたことだけを理由に、ガリバーの全店舗が危険だと断定することはできません。
ただし、大手だから必ず安心ともいえないため、見積もり、保証、車両状態、キャンセル条件を確認し、ほかの会社とも比較して判断しましょう。
Q.ガリバーでトラブルになったらどこに相談できますか?
A.まずは利用した店舗やIDOMのお客様相談窓口へ、契約内容や経緯を整理して相談しましょう。
解決しない場合や、どこへ相談すればよいか分からない場合は、消費者ホットライン「188」を利用できます。最寄りの消費生活センターや相談窓口を案内してもらえます。
出典:消費者庁「消費者ホットライン」
相談するときは、契約書、見積書、メール、写真などを用意しておくと、状況を説明しやすくなります。
まとめ|ガリバーの不正は事実と疑惑を分けて判断しよう
今回は、ガリバーの不正、不祥事、保険金問題、行政処分について調べました。
改めてポイントをまとめます。
- IDOMと東京海上日動の調査で、3件、合計4万6,725円の誤請求が確認された
- IDOMは、誤請求の原因を両社間の確認不足と説明している
- 同じ再調査では、損傷の作出、損傷範囲の演出、作業の偽装は0件だった
- 2024年に金融庁による立入検査が報じられた
- 立入検査と行政処分は別の手続き
- IDOMは2025年10月時点で、業務改善命令等を受けていないと発表した
- 金融庁が2026年3月末時点で公開している行政処分事例集にも、IDOMへの処分は確認できない
- 旧ビッグモーターとは、確認された問題や行政対応が異なる
ガリバーで誤請求が確認されたことは事実です。
その点を曖昧にして、「何も問題はなかった」とするのは適切ではありません。
一方で、確認不足による誤請求と、故意に車を傷つけたり、作業を偽装したりする不正請求を、同じものとして扱うのも正確ではありません。
中古車を購入したり売却したりするときは、会社の過去だけでなく、自分が利用する店舗の説明や契約条件をしっかり確認しましょう。
見積もりを比較し、分からない費用はそのままにせず、納得できないときは契約しない。
少し慎重なくらいが、後悔しない中古車選びにはちょうどよいと、私は思っています。
