ガリバーの中古車購入者から、諸費用が高すぎるとの声が口コミで聞こえてきます。ガリバーに限らず、かつて中古車は車体価格から諸費用が加算される形式が一般的でした。

しかし2023年10月1日、消費者の保護や取引の透明性を高めることを目的に自動車公正競争規約が改正され、「支払い総額」に統一されることになりました。

それでも「諸費用部分が高すぎる」との声もあるようです。そこでガリバーの諸費用は高すぎるとの口コミは本当なのか、さまざまな角度から調査してみました。

ガリバーの中古車の諸費用を確認してみた

ガリバーの中古車の諸費用が高すぎるとの声を調査すべく、まずはガリバーの中古車の諸費用を調査してみました。

ガリバーではそれぞれの店舗毎に在庫の中古車が公表されています。

そこでは先にお伝えしたように、「支払い総額」として価格が公表されていますが、内訳として車両本体価格と諸費用が分類されており、支払い総額の中の諸費用を簡単にチェックすることができます。

掲載されている中古車の支払い総額と諸費用を、いくつかご紹介しましょう。

支払い総額車両本体価格諸費用
トヨタ パッソ186.8万円182.2万円4.6万円
マツダ cx-3159.8万円154.6万円5.2万円
日産 エクストレイル198.8万円193.9万円4.9万円
ホンダ ステップワゴン203.8万円199.3万円4.5万円
トヨタ 86301.8万円297万円4.8万円
三菱 デリカD:5449.8万円442.2万円7.6万円
トヨタ アルファード473.0万円466.0万円7.0万円
BMW X7735.8万円724.8万円11.0万円

※2025年1月8日調査時。価格はいずれも消費税込み

「高すぎる」との声があるガリバー中古車の諸費用は、上記のようにガリバーの公式サイトで確認が可能です。

大型ミニバンや輸入車は高くなっていますが、それ以外の車に関しては5万円前後が平均的な諸費用となっています。

ただし、ガリバーの諸費用だけを見ても高すぎるかは判断が難しいです。

そこで、他の中古車業者の諸費用も調査してみました。

その他の中古車業者の諸費用

ガリバーの諸費用が高すぎるのかを判断すべく、大手中古車業者の諸費用についても調査してみました。

ここではオートバックス・カーズ、アップル、ネクステージそれぞれについて先程同様販売されている中古車の諸費用を紹介します。

オートバックス・カーズ

支払い総額車両本体価格諸費用
スズキ ワゴンR30.0万円23.3万円6.7万円
トヨタ プリウス64.1万円55.0万円9.1万円
日産 デイズ64.8万円54.8万円10.0万円
スズキ ジムニー69.8万円66.1万円3.7万円
トヨタ ヴォクシー69.9万円49.9万円20.0万円
トヨタ アクア71.2万円59.8万円11.4万円
日産 ノート105.0万円93.0万円12.0万円
マツダ CX-5108.7万円102.1万円6.6万円

※2025年1月8日調査時。価格はいずれも消費税込み

オリコン顧客満足度ランキングにおける中古車販売店部門で1位を獲得したこともあるオートバックス・カーズは、その名称からも分かるようにオートバックスグループの中古車販売部門です。

こちらも車両本体価格・諸費用を合わせた支払い総額を表示していますが、大まかな諸費用を見ると、ガリバーの方が安い傾向にあります。

アップル

支払い総額車両本体価格諸費用
スズキ パレット42.1万円37.8万円4.3万円
ダイハツ ミライース51.8万円41.8万円10.0万円
日産 ノート52.2万円43.8万円8.4万円
ホンダ フリード56.6万円50.2万円6.4万円
トヨタ シエンタ62.0万円52.8万円9.2万円
ホンダ CR-Z179.7万円167.1万円12.6万円
日産 エクストレイル186.8万円173.8万円13.0万円
マツダ CX-60397.4万円358.8万円38.6万円
BMW 4シリーズ441.5万円427.8万円13.7万円

※2025年1月8日調査時。価格はいずれも消費税込み

アップルに関しては、公式サイトでは支払い総額と車両本体価格のみが掲載されているため、ここではその差額を「諸費用」として掲載しています。

こちらも車両によって差がありますが、全体的に見るとガリバーよりやや高い傾向にあることが分かります。

ネクステージ

支払い総額車両本体価格諸費用
ダイハツ タントカスタム32.9万円25.2万円7.7万円
トヨタ パッソ34.9万円25.7万円9.2万円
マツダ デミオ36.2万円21.5万円14.7万円
スズキ スペーシア46.9万円38.8万円8.1万円
日産 エルグランド64.9万円54.2万円10.7万円
トヨタ ヴォクシー97.2万円80.0万円17.2万円
日産 セレナ149.9万円140.0万円9.9万円
BMW X3399.9万円388.1万円11.8万円

※2025年1月8日調査時。価格はいずれも消費税込み

ネクステージでは支払い総額、車両本体価格、諸費用全てが記載されています。

車体によって差がありますが、全体的に見るとガリバーの諸費用よりやや高いことが分かります。

結論:ガリバーの諸費用が高すぎるは「ウソ」

ガリバー、さらにはその他の中古車メーカーの諸費用を比較すると、決してガリバーの諸費用は高いとは言えません。むしろ今回紹介した中古車メーカーの中では安い方です。

もちろん中古車メーカーは他にもありますし、中古車は抱えている在庫の質によって価格や諸費用が異なるため、あくまでも参考結果ではありますが、少なくとも「高すぎる」とは言えないことが分かります。

そもそも中古車の諸費用とは?

画像: そもそも中古車の諸費用とは?

ガリバーを含めた大手中古車業者の大まかな諸費用を紹介させていただきましたが、そもそも諸費用とは何を意味する費用なのか分からない方もいるのではないでしょうか?

広義では「車両本体価格以外にかかる金額」ですが、具体的には法定費用と代行費用に分類できます。それぞれの内訳について、詳しく紹介していきましょう。

法定費用

法定費用とは、法律で定められているものです。

具体的には下記が該当します。

  • 自動車重量税
  • 自賠責保険料
  • 自動車税
  • 消費税
  • 環境性能割
  • リサイクル料金

法律にて定められていることから、中古車販売店側で自由に決めることはできません。つまり、割引はできません。これらはどの中古車販売店で購入した場合においても発生するものです。

代行費用

代行費用に関しては中古車販売店の裁量次第です。

主な項目としては下記が挙げられます。

  • 登録代行費用
  • 車庫証明代行費用
  • 納車費用
  • クリーニング費用

これらに共通しているのは、購入者自らでも行える点です。

自ら行った場合、これらの項目の費用は発生しません。また、法定費用とは異なり、自由裁量です。つまり、中古車販売店側が自由に設定できるものなので、中古車販売店によって諸費用が異なるのは、これらの代行費用が異なるからとなります。

そのため、代行費用に関しては割引も可能です。法定費用に関しては割引は不可能ですが、代行費用は交渉次第で可能なケースもあります。

  • オプションを加えることで諸費用を安くしてもらう
  • 次の車検を確約することで諸費用を安くしてもらう
  • 自分で行うことで諸費用を抑える

等により、諸費用を安くできる中古車販売店もあります。ただし、繰り返しになりますがあくまでも中古車販売店次第です。

ガリバーの諸費用が高すぎると叫ばれている理由

画像: ガリバーの諸費用が高すぎると叫ばれている理由

他の中古車販売店の諸費用と比較すると、ガリバーの諸費用は決して高すぎるものではないことが分かりました。

ではなぜ「ガリバーの中古車の諸費用は高すぎる」との声があるのか、その理由として考えられるものをいくつか紹介していきましょう。

昔のイメージ

冒頭でもお伝えしましたが、2023年10月1日自動車公正競争規約が改正され、総額表示が義務化されました。

それまで車両本体価格のみを表示している中古車販売業者も多々ありましたが、当時は決して違法行為ではありませんでした。しかし法改正後は総額表示が義務化されたことで、すべての中古車販売店が車両本体価格と諸費用を合わせた総額表示を徹底しています。

この法改正の背景にあるのは、車両本体価格のみを表示している中古車販売店が多々あり、見積もりを取ると車両本体価格よりも数十万円以上上乗せされた価格を提示されるケースが珍しくなかったからです。

実際、ガリバーに限らず、中古車を購入した際の諸費用が高すぎるとの口コミは法改正以前のものが多く、法改正後にはそのような口コミはほぼ見られません。

しかし、法改正前に購入した方で、かつ法改正を知らない方とすれば「中古車は諸費用が高すぎる」との思いがくすぶっていることでしょう。

特に近年、SNSは自己主張の場としての特性が強まっています。客観的な事実を述べるよりも、バズらせたいと思っている人が増えているため、昔のイメージを誇張して主張することで、それを見た人が「ガリバーの諸費用は高すぎる」とのイメージを持ってしまい、拡散されることでより多くの人が同様のイメージを持ってしまったことも考えられます。

「想像より」高かった

ガリバーは中古車販売店大手です。そのため、ガリバーに安さを期待している人は多いです。

特に近年はわざわざ店舗まで足を運ぶことなく、スマホ片手に多くの業者の在庫を調べることも簡単です。

このような、安さを追求している人にとっては諸費用に関して、他との比較ではなく「自分が想定した金額より高い」との思いを抱くこともあるでしょう。

特に中古車購入経験がなく、「とにかく安く」と思っている消費者は、諸費用の内訳がよく分かっていないことが多いです。

お伝えしたように、諸費用は法定費用と代行費用に分類されており、法定費用に関しては中古車販売店側の裁量で割引ができません。

しかしこのような事情を知らず、あくまでも車両本体価格だけで購入できると思っていた消費者とすれば、諸費用の存在を知って「中古車は高すぎる!」と思ってしまうのも致し方ないものです。

まとめ

ガリバーの諸費用が高すぎるとの口コミについて真実を調査してみました。

2023年10月1日の法改正以降に関しては総額表示が義務化されたこともあり、ガリバーを含めた全ての中古車販売店が総額表示にて中古車を販売しています。

販売されている中古車の諸費用を比較すると、ガリバーの諸費用は高すぎることはなく、むしろ他の業者よりも安価に設定されていることが分かりました。

一方で、諸費用は交渉の余地がある点や、中古車販売店によって異なる部分があるのも事実です。

そのため、少しでも不明瞭な点がある場合、直接問い合わせてみましょう。

そこでの対応も中古車購入の判断材料となるはずです。

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